カナダ・アルバータ州の高校卒業規定

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更新日:2025/12/04

ファーストビュー アルバータ州の高校卒業規定

目次

アルバータ州の高校卒業規定

アルバータ州の高校を卒業するためにはGrade10-12(高校1年-3年)の3年間で最低100単位を取得しなければなりません。1科目当たりの単位数は3-5単位と課目によって異なり、主要科目(英語・数学・社会・理科など)は5単位、ファインアート・ビジネス・コンピューター・テクノロジー系の選択科目は3単位で計算されます(科目により異なる場合あり)。

また、この100単位の中にはGrade12(高校3年)の科目を受講しなければならないものや、指定された分野の中から受講しなければならない選択科目も含まれています。アルバータ州の高校卒業要件を満たすと、日本やカナダだけではなく、世界中のカレッジ・大学へ進学することができます。

1年間の受講科目数と単位数

1年間の受講科目数

アルバータ州にある高校の多くは2学期制になります。そのため9月に入学した場合、9月~1月・2月~6月で別のコースを受講することになります。これは2月入学の場合も同じです。お子様の英語力により必須科目・選択科目の割合は多少変わりますが、通常1学期間で4~6科目を受講していきます。また必須科目・選択科目によって取得できる単数が異なるため、必須科目の受講数が多い・少ないによって1学期間で消化できる単位数も変わってきます。

1学期(9月~1月) 2学期(2月~6月)
受講科目数 4~6科目 4~6科目
取得単位数 20~25単位/目安 20~25単位/目安

つまり1年間に取得可能な単位数は40~50単位になり、3年間で計算すると120~150単位を卒業までに取得することになります。ただ、アルバータ州の卒業規定により必須科目やGrade12(高校3年)で受講しなければならない科目も定められているため、やみくもに受講すればよい、というものでもありません。アルバータ州の卒業規定については、もう少し先にある「アルバータ州の高校卒業に必要な単位の内訳」をご覧ください。

アルバータ州の単位と学年の見方について

アルバータ州では必須科目・選択科目によって取得できる単位数が異なります。必須科目は英語・数学・社会・理科のようなコースのことをいい1科目当たり5単位で計算します。一方、選択科目はファインアート・ビジネス・コンピューター・テクノロジー・第二言語のようなコースのことをいい、1科目当たり3単位(科目により異なる場合あり)になります。

また、ブリティッシュコロンビア州やオンタリオ州では科目+学年は「科目名+学年(10・11・12)」と表記される一方、アルバータ州では科目と学年が下記のように「科目名+10・20・30」と表記されます。これは単に呼び方が異なるだけで、同じ意味になるので安心してください。

アルバータ州 ブリティッシュコロンビア州
オンタリオ州
高校1年(Grade10)の英語=English10
高校2年(Grade11)の英語=English20
高校3年(Grade12)の英語=English30
高校1年(Grade10)の英語=English10
高校2年(Grade11)の英語=English11
高校3年(Grade12)の英語=English12

また、アルバータ州では以下のように科目名の横に「-1・-2」という数字がついています。

English30-1・English30-2

これは各科目のレベルを表しており(-1が上位レベル)、同じ学年でもレベルによって授業の難易度が変わります。English30はアルバータ州の高校卒業資格を得るために必須の科目であり、多くの留学生にとって最難関コースになりますが、ここで注意をしたいのが高校卒業後の進学を考えたときに、どのレベルを修了しておけばよいか?ということです。

以下の表はその目安になりますが、カナダ国内で大学進学を検討中の場合はEnglish30-1を修了することを目指しましょう。一方、カナダ国内のカレッジや日本の大学へ進学する場合English30-2で問題ありませんが、日本の大学は学校によって規定が異なる可能性があるため、Grade12になる前に進学希望先の大学に確認をしておくほうと安心です。

カナダの大学へ進学 English30-1を修了
カナダのカレッジへ進学 English30-1/-2のどちらでもOK
帰国子女枠で日本の大学へ進学 English30-2でもOK
※ただし日本の大学に要確認
上記以外の国の
カレッジ/大学へ進学
各国のカレッジ・大学に要確認

アルバータ州の高校卒業に必要な単位の内訳

以下はアルバータ州の高校卒業に必要な単位の内訳になります。

必須科目
  • English 30-1 or 30-2(英語)
  • Social Studies 30-1 or 30-2(社会)
  • Mathematics 20-1 or 20-2 or 20-3(数学)
  • Science 20 or 24 or Biology 20 or Chemistry 20 or Physics 2(理科)
  • Physical Education 10(体育)
  • Career and Life Management (CALM/キャリア&ライフ教育)
選択科目(100単位のうち10単位は下記の選択科目の分野から取得)
  • Career and Technology Studies (CTS/キャリア&テクノロジー)
  • Fine arts(ファインアート)
  • Second languages(第二言語)
  • Physical Education 20 and/or 30(Grade11 and/or 12の体育)
  • Registered Apprenticeship Program (RAP) courses(実習)
  • Knowledge and Employability courses
  • Locally developed courses in CTS, fine arts, second languages or Knowledge and Employability; and
100単位のうち10科目はGrade12レベルの科目から取得
  • Math 30
  • Science 30
  • Fine Arts 30
  • Second languages 30
  • Career and Technology 30 CTS, or physical education
  • 30-level locally developed course (learn more about these course options through your high school)
  • 30-level Work Experience
  • 30-level Registered Apprenticeship Program (RAP)
  • 30-level Knowledge and Employability courses
  • Advanced level (3000 series) in CTS courses
  • 30-level Green Certificate Specialization courses
  • Special Projects 30
※上記のほか「必須科目」の欄にある・English 30やSocial Studies30もGrade12レベルのコースの修了が必要です。 *The science requirement may also be met with a 10-credit combination of Science 14 and Science 10

選択科目について

この項目ではアルバータ州の高校の選択科目にどのようなコースがあるのかを紹介しています。日本の高校では見たことのない科目もたくさんあり、楽しみながら知識の習得や英語のスキルアップができるようになっています。ただ、実際に提供されているコースは高校や学年によって少しずつ異なるので、参考情報としてご覧ください。

Career and Technology Studies (CTS)

  • Communication Technology(コミュニケーションテクノロジー)
  • Financial Management(ファイナンシャルマネジメント)
  • Construction Technology(建設技術)
  • Food Studies(食学)
  • Cosmetology(美容)
  • Health and Wellness(健康)
  • Design Studies(デザイン)
  • Management & Marketing(マネジメント&マーケティング)
  • Multimedia & Web Design(マルチメディア&ウェブデザイン)
  • Fashion Studies(ファッションデザイン)

Fine Art

  • Concert Band(コンサートバンド)
  • Concert Choir(合唱)
  • Dance(ダンス)
  • Drama(ドラマ)
  • Film/Video(映像制作)
  • Music Theatre(演劇)
  • Painting(ペインティング)
  • Ceramics, Sculpting(陶器)
  • Graphics(グラフィックアート)
  • Photography(写真)

Second languages(第二言語)

  • French(フランス語)
  • Spanish(スペイン語)
  • Germany(ドイツ語)
  • Japanese(日本語)

Locally developed courses

カナダには地域の特性を活かす、または需要を満たす目的で作られたコースも提供されており、これらをまとめてLocally Developed Coursesと呼んでいます。例えば、アウトドアや航空学、バレエ、ヨガ、ジャーナリズムなどもこのコースカテゴリーに分類されます。

アルバータ州で高校卒業を目指すうえでの注意点

入学時の英語力

高校1年生の学年でカナダの高校に入学し卒業を目指す場合、英検準2級~2級レベルの英語力は身に着けておくとよいです。高校2年生の学年から卒業を目指してカナダの高校に入学する場合は英検2級レベルの英語力を身に着けておきましょう。ただ、これらの英語力があるからと言ってカナダの授業に問題なくついていけるというわけではありません。カナダの高校に入学すると授業は全て英語になります。当然、現地の生徒と一緒に授業を受けることになるので、先生も留学生のためにゆっくり話してはくれません。そのため、現在の英語力に満足せず、少しでも高い英語力を身に着けることを渡航前の目標にして取り組んでください。

学期制度

カナダには1学期制・2学期制の高校があり、お子様の入学時期によりどちらの適切な学期制度は変わります。誤った学期制度の高校に入学をしてしまうと、卒業までの留学期間が予定より長くなり、留学費用が余計に必要になりますのでご注意ください。

高校1年の9月入学 1学期制・2学期制のどちらの高校を選んでも問題なし
高校1年の2月入学 2学期制の高校を選択
高校2年の9月入学 2学期制の高校を選択

サマースクール(単位取得コース)

カナダの教育委員会によってはサマースクールを開講している学区もあります。サマースクールとは7月に開講される単位取得コースで高校卒業に必要な科目の単位を取得することができます。カナダの高校の入学時期に関係なく、英語や学力に不安がある方、単位の取得を少しでも早めたい方はサマースクールのある教育委員会を選択するとよいです。高校2年の9月から卒業を目指して留学する場合、サマースクールのある高校を選択することをおすすめします。

高校2年9月からの入学と2年での卒業

カナダではGrade11/12(高校2年/3年)の単位は現地の高校で取得しなければなりません。通常、カナダ人生徒はGrade11/12年を2年かけて修了しますが、留学生の大半は入学後、一定期間ESL(1学期~1年間/留学生用の英語コース)も受講しなければなりません。また、English10(カナダのGrade10の英語)も受講が必要になるため、高校2年の9月から卒業を目指して留学する場合、卒業まで2.5年かかることを見込んで留学プランを立てることをおすすめします。2年間でカナダの高校を卒業できるかどうかは、あくまでも「1:入学時に高い英語力・学力がある」「2:現地の必須科目を落とさずにパスする」ことが最低条件になるので覚えておいてください。上記の理由により、高校2年の9月からカナダの高校卒業を目指す場合は、2学期制でサマースクールのある教育委員会/高校に留学すると安全で賢い選択になります。



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